理事会
2024年度
活動計画

事業活動方針

我が国は、2014 年に国連の「障害者権利条約(以下、権利条約という。)」を批准し、我が国の権利条約の取り組みに関して、2022 年 8 月に国連障害者権利委員会が開催されて、初めて審査が行われ、9 月 9日に障害者権利委員会より「総括所見」公表された。

このような中、日本弁護士連合会が「強制入院廃止へ向けてロードマップ」発表した。「精神保健に関する法制度の改正等」「精神科医療・福祉の構造改革」を 2035 年に向けて、ロードマップを掲げ、関係団体と大連帯会議が、昨年夏から協議が始まっている。

一方 2022 年 12 月に改定された「精神保健福祉法」が、今年 4 月から施行された。主な改定点として【①精神保健に関する相談支援体制の整備、②医療保護入院の見直し、③入院訪問支援事業の創設、④虐待防止に向けた取組の一層の推進】が明示された。そして神奈川県においても、入院訪問支援事業が、事業所に委託され実施される。入院訪問支援事業は、関係機関との連携が必須となる事業として、連携の仕組みや 協力体制が問われてくる。様々に地域でネットワークが駆使され、当事者が望む地域生活が実現されることを希う。

また、昨年発覚した東京都八王子の滝山病院(精神科病院)の虐待事件に関して、3障がい対象の「障害者虐待防止法」でなく、「精神保健福祉法」の対応になっており、課題の先送りになっていることを、認識したい。虐待防止の取り組みを行う昨今であっても、精神保健福祉の分野で虐待防止が徹底されていない状勢を把握して、支援者が福祉向上を邁進することで今後の精神保健福祉が変わってくるであろう。

同時に3年毎の福祉サービスの報酬改定が、2024 年 4 月から実施された。報酬改定の度に、事業持続や存続を突き付けられている。そして、地域では様々な法人形態が民間事業所として福祉事業に参入している。地域では、小規模事業所運営の厳しさの状況下で、事業経営と利用者の思いに伴奏する支援をどのように進めるか、我々の課題であると考える。このような中で、会員事業所の運営状況や人材不足の課題等に応じて、今年度は県精連の組織体制について「組織検討委員会」を設置して具体に検討する。

こうして我々は、刻々と変化する社会的要因の中で生きている。精神障がいを持つ方々の生活のしづらさは、毎日変わりなく続いている。事の本質を見失わずに、目の前に生活している精神障がいの方々が、その人らしく安心して生活出来るような活動や支援を実践するためにも、情報の把握と業務の振返り、自己研鑽、地域関係者との横のつながりを強めて行く必要があり、当会の活動もその一翼を担えるように会員の皆様と活動を継続していく所存である。

総会・理事会等の開催

  1. 特定非営利活動法人 神奈川県精神障害者地域生活支援団体連合会
    第21 回総会 5月25日(土) ヴェルク横須賀において、対面評決にて開催。
  • (ア)常任理事会を開催し、当会の運営及び各事業について協議検討し理事会への提言等を行なう。
    会員事業所の状況を把握し、補助金減額に伴う 2025 年に向けて県精連組織の在り方や、会の事業推進を図るための検討協議行い、理事会へ提言していく。
    コロナ過での研修会のあり方や開催方法等理事会に提言する。
    「障害者総合支援法」施行など、国を始めとする行政や精神保健福祉の動向について、情報収集を行い会員への情報提供、理事会への提言なども行なう。
    開催日:原則として年6回奇数月第4火曜18時30分より開催

    (5/21 7/23 9/24 11/26 1/28 3/25 を予定)

  • (イ)理事会を開催し当会の運営及び各事業について協議し、会運営と事業の推進に努める。
    開催日:原則として年6回 偶数月第3木曜17時より開催

    (4/18 6/20 8/22 10/24 12/19 2/20 を予定)

  • (ウ)神奈川県精神障害者地域生活支援4団体代表者会の開催。(NPO)横浜市精連・川崎市精連・神奈川県精神保健福祉士協会との代表者会議を開催し、共同事業について協議し事業の推進を図る。また必要に応じて情報交換等を行い、各団体との連携を深める。
    開催日:原則として年3回開催
  • (エ)神奈川県障害福祉課との協議会を開催し、理事及び要望調査委員が出席し、県との意見情報交換、要望事項等の協議の場を持つ。
  • (オ)県精連にて取得したZoomアカウントを活用し、理事会や常任理事会、委員会、ブロック、部会等での会議研修に活用。また、会員法人や事業での活用を広く周知し、コロナ禍での会議等に活用するなど事業の推進に努める。

事業内容

  1. 特定非営利活動に係る事業
1)精神保健福祉の充実及び、促進に関する事業
ア.運営相談員派遣事業(県補助事業対象)
神奈川県から補助金を受け、地域活動支援センター、グループホーム、就労支援事業所、相談事業所等、関係職員、県民等の運営する事業所の運営内容、運営事業、会計等のさまざまな相談に応じ以って的確かつ適正な事業展開を促進するため、運営相談員を事務局に配置し随時派遣する。運営に関する法律的相談に対して弁護士と委託契約する。
通年
神奈川県平塚市(事務局)
従事 1名(事務局職員)
対象 地域活動支援センター、グループホーム、就労支援事業所、相談支援事業所等 関係職員、県民等
・支出見込額 3,315,000円
イ.ブロック運営事業
ブロック定例会を実施し、地域活動支援センター、グループホーム、就労支援事業所、相談支援事業所等、関係職員、県民等の連携と各地域に即した活動の推進を図るため意見、情報の交換及び、研修会を行う活動に対して運営助成を行う
通年
神奈川県域各地
従事 14名(理事)
対象 地域活動支援センター、グループホーム、就労支援事業所、相談支援事業所等 関係職員、県民等
・支出見込額 183,000円
ウ.部会運営事業
定例部会を実施し、地域活動支援センター、グループホーム、就労支援事業所、相談事業所等、関係職員、県民等の連携と各事業に即した活動の推進を図るため意見、情報の交換及び、調査研究を行う活動に対して運営助成を行う
通年
神奈川県域各地
従事 4名(部会長)
対象 地域活動支援センター、グループホーム、就労支援事業所、相談支援事業所等 関係職員、県民等
・支出見込額 160,000円
エ.施設賠償保険加入促進事業
損害保険会社と連携し施設賠償保険加入の取り扱いを行う
通年
神奈川県平塚市(事務局)
従事 1名(事務局職員)
対象 地域活動支援センター、グループホーム、就労支援事業所、相談支援事業所等
・支出見込額 840,000円
オ.広報、啓発活動「県精連メール速急便」「県精連の動き」
「県精連メール速急便」発行及びホームページの活用を行い、時機に即した情報の共有を行う。また4ブロック合同定例会に「県精連の動き」を発行し情報発信していく。不定期にブロック会開催時にも発行。
通年
神奈川県内精神保健福祉関係施設他
従事 1名(事務局職員)
対象 会員、関係機関
・支出見込額 60,000円

2)精神保健福祉全般に関する研修事業
支出見込総額 1,000,000円(補助対象)

ア.研修事業(県補助事業対象)
研修委員会を設置し、地域生活支援の質の向上を図るため、精神保健福祉に関する講義とディスカッションを実施し、地域活動支援センター、グループホーム、就労支援事業所、相談支援事業所等施設運営実務に関する諸問題について活動の言語化、記録化をもとに実践研究をおこなう。各部会・ブロック会での研修を共催する。
随時
神奈川県内精神保健福祉関係施設他
従事 9名(研修委員・各部会役員・各ブロック会役員)
対象 会員、神奈川県内の施設職員、運営委員等、年間延べ200名
・支出見込額 750,000円
イ.当事者体験発表会開催事業 (県補助事業対象)
県民、関係者、家族など、各方面に対する啓発活動の一環として、精神障がい当事者による、自己体験の発表会を開催する。
年1回
県精連会員関係施設等
従事 15名(担当ブロック委員・研修委員)
対象 会員、関係職員、障がい当事者、県民、学生等200名
・支出見込額 250,000円
3)精神障がい者が住みやすい社会の実現のための要望調査事業
要望調査委員会を設置し、精神保健福祉を取り巻く大きな流れを把握し、地域生活支援の質の向上を図るため、地域活動支援センター、グループホーム、就労支援事業所、相談支援事業所等、施設運営実務に関する諸問題について検討調査する。これら実践研究及び調査をもとに対県要望活動を実施し、地域活動支援センター・グループホーム、就労支援事業所、相談支援事業所等の活動に反映させ、地域福祉増進の一翼を担う。
年12回
神奈川県内精神保健福祉関係施設他
従事 10名 (要望調査委員) 
対象 会員、神奈川県内の施設職員、運営委員等、年間延べ100名
・支出見込額 300,000円
4)関係機関・団体との連携に関する事業
ア.地域交流研修事業
特定非営利活動法人横浜市精神障害者地域生活支援連合会、川崎市精神障害者地域生活推進連合会、神奈川県精神保健福祉士協会との交流を図り、共同事業の推進に努める。
年1回(2月)
神奈川県内関連施設
従事 7名(実行委員)
対象 精神障がい当事者、地域活動支援センター、グループホーム、就労支援事業所、相談支援事業所、職員等150名
・支出見込額 40,000円
イ.関係団体交流事業
協賛団体等関係機関団体との協力、交流、連携を図る。
年15回(通年)
神奈川県内関連施設
従事 6名(常任理事)
対象 精神障がい当事者、地域活動支援センター、グループホーム、就労支援事業所 利用者、職員、県民等 100名
・支出見込額 10,000円
ウ.地域交流事業「県精連ふれあいソフトボール大会」開催事業
スポーツを通して、地域間の交流をはかる
年1回(10月)
厚木市及川球技場
従事 6名(実行委員)
対象 精神障がい当事者、地域活動支援センター、グループホーム、就労支援事業所 利用者、職員、県民等 300名
・支出見込額 60,000円
5)組織検討事業
組織検討委員会を設置し、当会の事業と組織の在り方を研究し、理事会に対して提言を行う。
年9回
神奈川県内関連施設
従事 6名(常任理事)
対象 関係職員、会員、会員団体役員等
・支出見込額 30,000円